ひめごと③
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taka:「ここはどこだ? オレはpinokoと話をしてたはずだ。いつ転移させた?」
エキ:「残念だが勘違いだよ。君は肉体的な転移を体験したわけじゃない。僕の茶会に招かれただけさ」
taka:「茶会だ?」
エキ:「魔女の茶会にね」
エキ:「いつまでそうしてるつもりだい? せめてお茶が冷める前に席に着いてもらえないかな?」
taka:「魔女の茶会に招かれたってことは、よっぽど穢れが溜まってたってことか」
エキ:「それは別の話だよ。君が仕事で穢れをいくら溜めようが関係ない」
エキ:「君がここに来たのは、あのままあそこにいたら心がバラバラになってしまうところだったからだよ」
taka:「ハッ、なんで愛する娘と話をしてたら心がバラバラになるってんだよ」
エキ:「君は本当に記憶をなくしてしまったようだね」
taka:「何?!」
taka:「おまえは知ってるのか?」
エキ:「もちろんだとも。ずっと見ていたからね」
エキ:「8月31日に何があったか」
taka:「8月31日…」
エキ:「それじゃあ一緒に思い出してみようか」
taka:「なっ…」
エキ:「8月31日。つまりは月末だ。君がいつも月末にやっていたことは何だい?」
taka:「月末は… お小遣い稼ぎの結果報告をブログでするのが最近のルーティーンだ」
エキ:「そう… あの日も君は8月のお小遣い稼ぎの結果報告をしようと準備していた」
taka:「ああ…そうだ」
エキ:「そしていつもブログの前にTwitterで先行発表していたよね?」
taka:「戻ったのか…?」
エキ:「さぁ、そろそろ思い出してきたはずだ。Twitterを開こうとしたらどうなったんだっけ?」
taka:「ぐっ… そうだ… Twitterがなんか変な感じになってて…」
エキ:「簡単に言うと、君のアカウントが凍結されてたってわけさ」
taka:「ぐっ…」
エキ:「君はTwitter社に異議の申し立てをしたが、未だに返事はなし。もう手遅れかもしれない」
エキ:「君がこれからの柱として考えていたTweepieは、フォロワ―数で1回の単価が決まる。その時までのフォロワ―数は8600を超えていたから君のツイートの価値は1回100円だった。1日1回でも月に3000円は稼げる予定だった」
エキ:「それが一瞬で奪われたってわけだ。理由もわからないまま」
taka:「そうだ…」
エキ:「慌てて君は新しいアカウントを作成した。でも当然すぐにフォロワ―は増えない。現時点での君のツイートの価値は1回15円だ。そして何もかもやる気がなくなったってわけさ」
taka:「そうだよ…」
taka:「Tweepieは停滞気味だったオレのお小遣い稼ぎの救世主になるはずだった。その礎を急に何の通知もなく奪われたんだ! それに万垢もすぐそこまで見えてたんだ!」
エキ:「そのTweepieが原因だって可能性もあるんじゃないかな?」
taka:「そ、そうなのか?!」
エキ:「えっ?! いや…」
エキ:「よくわかんない」
taka:「おまえ、強欲の魔女なんだろ?! 何でも知ってるんじゃないのかよ!」
エキ:「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
taka:「そういうの今いいから」
taka:「なんかおまえと話してたら怒りが湧き出てきた…」
エキ:「えっ…」
taka:「ちょっくらTwitter社に行ってくる」
エキ:「やめときなよ。君みたいな小市民が行っても相手してもらえないよ。てか、アメリカだよ?」
taka:「なんかわからんけど、元気出たわ。ありがとな。もう行くわ」
エキ:「えっ、ちょっと待って!」
エキ:「ウソでしょ?! 僕は強欲の魔女だよ?! もっと他に聞きたいことは…」
taka:「ない」
エキ:「えー!」
”Re:ゼロからはじめる異世界生活”より