戦場2019夏⑪~最終話~
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taka:「ずっと考えてた。Aのために何をすべきか。答えは…何もしないこと」
taka:「ママは言った…諦めて楽になりなさいって。でも…誰が諦めてなるものか」
同僚B:「お互い考えることは同じだな。オレに名案がある」
同僚B:「ハウスに火をつける。ママが消火に手を取られている隙に全員で逃げる」
taka:「ママが火を消すことを諦めて、私たち商品から目を離さないかもよ?」
同僚B:「ああその通りだ。その可能性もある。でも問題ない…こうすればいい」
taka:「B!」
同僚B:「フッ、最高だろ? 出荷が決まってるフルスコアが燃える…絶対に見捨てられない」
同僚B:「オレはずっとこの日を待っていた…ずっと前から決めてたんだ。オレはこれまで大切な同僚たちをずっと見殺しにしてきた。みんないいやつらだったのに…」
taka:「待って!」
同僚B:「これは会社の犬としてみんなを苦しめてきたオレの罪滅ぼしだ」
同僚B:「taka、後は頼んだぞ。こんな会社早く潰してくれ」
taka:「ダメ、やめて…」
同僚B:「バイバイ、taka…」
taka:「B!」
ママ:「何?この匂い…」
taka:「B! B!」
ママ:「taka!」
taka:「ママ…助けて…Bが中に…」
ママ:「まさかあの子、自分で…」
ママ:「taka、早く離れなさい!」
ママ:「スプリンクラーは? どうして? 火の勢いが強すぎる…」
ママ:「taka、早く逃げ…」
taka:「お待たせ、みんな!」
taka:「よし行こう!」
同僚B:「どうなってるんだ…? なんでみんな…」
taka:「すべてはAの計画通り。Bが自分に火をつけようとしてることもAは知ってた。だから裏でBにも内緒で別の計画を進めてたんだ」
taka:「ここからみんなで逃げる」
同僚E:「よし!」
taka:「イェ―イ!」
同僚B:「いつの間に…こんな…」
taka:「私たち以外みんなでずっと訓練してたんだよ」
同僚E:「じゃあオレから行くぜ!」
同僚E:「おらぁ!」
同僚E:「よし! どんどん来いっ!」
taka:「さぁ、Bも行って! 私は最後に行く」
ママ:「taka!」
同僚E:「よし、後はtakaだけだ!」
ママ:「ハァハァ…」
ママ:「taka…」
taka:「ママ…働くことは良いことだけど、ちゃんと法律を守らないといけないと思うの。そうじゃない勤労は真面目に働く人たちを苦しめるだけ」
ママ:「ちゃんと残業代ももらってるでしょ!? 喜んで働いている社員もたくさんいるわ!」
taka:「残業代が多い社員を集めて鬼に献上してる会社なんて異常だよ。中にはそれを恐れてタイムカードを押さずに働いている人たちもいる。私は絶対にこんな会社を変えてみせる」
ママ:「そんなことできるわけ…」
ママ:「taka! 行かないで!」
同僚E:「よし、行くぞ!」
ママ:「taka…この戦場から逃れたところであなたがいるのは変わらない鬼の社会(会社)なのよ」
ママ:「でもあなたなら変えられるかもね…」
ママ:「いってらっしゃい。気をつけて」
ママ:「願わくば…その先に光がありますように…」
taka:「日本中の働くサラリーマンがちゃんとした労働環境で働ける日まで…」
taka:「私はこのブログを書き続ける」
taka:「そして…ようやく…」
taka:「お盆休みだ!」
完
”約束のネバーランド”より
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